トヨタTS030 ハイブリッド、富士6時間耐久レースを制す！

モータースポーツ情報 （2012/10/14）

10月14日、秋晴れの中、午前11時にスタートが切られた2012年FIA世界耐久選手権（WEC）第7戦「富士6時間耐久レース」。
ポールポジションから順調にスタートを切ったNo.7 トヨタTS030ハイブリッド（ヴルツ/ラピエール/中嶋組）が2位との僅差の戦いを制し、
今シーズン2勝目を達成。中嶋にとっては、自身参戦による初勝利を果たすことになった。

レースはまず7号車のリードからスタート。だが、日本でのキャリアが豊富な1号車のドライバーもハイペースで追随し、レースを盛り上げた。開始から2時間弱、後方からプレッシャーをかけ続けた1号車に焦ったか、トップ7号車が最終コーナーで痛恨のオーバーラン。これを味方につけた1号車がトップを奪取した。その後も2台は着かず離れずの距離から互いを牽制。ルーティンワークのピットインを繰り返しながら周回を重ねていった。

その2台に変化が訪れたのが、レース開始から3時間を過ぎた頃。7号車を追っていた1号車がBコーナーでラップダウンのGT車両に接触。車両の左前を激しく損傷させ、緊急ピットインを強いられてしまった。しかし、その後、コース上に激しく散乱しているタイヤカスを回収するため、セーフティカーがコースイン。1号車は幸運にも一旦開きかけていた7号車との差を挽回するチャンスに恵まれた。ところが、のちに1号車は接触によるストップ＆ゴーのペナルティを受けることになり、またもトップとの差を広げることになる。

レース終盤、ひと足先にルーティンワークでドライバー交代、タイヤ交換、ガソリン補給を済ませていた7号車を追うように、1号車が同じサービスのルーティンを実施。7号車は中嶋、1号車はロッテラーがドライブを担当しており、日本のフォーミュラレースではチームメイトであるふたりが優勝を巡って争うという、ラストスパートが始まった。

チェッカーまで1時間を切った時点で1号車がピットイン。ドライバー交代、タイヤ交換をせずに給油のみでロッテラーをコースへと送り出す。逆転をかけて最後の勝負に出たのだ。一方、7号車は残り20分で最後のルーティンワークを実施。こちらも給油のみで逃げ切りを目指した。ピットアウト後は5.3秒差まで詰め寄られた7号車だったが、その後もシビアなレースを絶妙にコントロール。1号車の追随を許さず、そのままトップを死守し、第5戦サンパウロに続いて今季2勝目を達成する。なお、サンパウロ戦を欠場した中嶋にとっては、自身初のWEC優勝。自らポールポジションを叩き出しただけでなく、最後はチェッカーを受けるという願ってもない形で勝利を飾ることになった。

この他のクラスでは、LMP2において日本人の中野信治が加入したNo.25 オレカ03ニッサンが優勝。中野にとって初めて世界選手権での勝利になった。決勝結果（上位6台すべてLMP1）
１．No.7 トヨタTS030ハイブリッド（ヴルツ/ラピエール/中嶋一貴組）233Ｌ 6:00'42.920
２．No.1 アウディR18 e-tron クアトロ（ファスラー/ロッテラー/トレルイエ組）+11.223
３．No.2 アウディR18 e-tron クアトロ（クリステンセン/マクニッシュ組）+1'32.565
４，No.12 Lola B12/60 クーペ トヨタ（プロスト/ジャニ組）+6Laps
５．No.22 HPD ARX 03a ホンダ（ブラバム/チャンドック/ダンブレック組）+7Laps
６．No.21 HPD ARX 03a ホンダ（レベンティス/ワッツ/ケイン組）+7Laps

・クラス別トップ車両
LMP2
No.25 オレカ03ニッサン（マーティン/グレイブス/中野信治組）220Laps

LMGTE Pro
No.77 ポルシェ911RSR（リエツ/リエブ組）207Laps

LMGTE Am
No.50 シボレーコルベットC6-ZR1（ボーンハウザー/キャナル/ラミー組）204Laps