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ポルシェ、ディーゼル車の生産・販売から撤退へ

コラム (2018/09/28)

9月末、ドイツの高級車大手メーカーであるポルシェが、ディーゼルエンジンを搭載した乗用車の生産および販売から撤退することを明らかにした。この背景にあるのは、ポルシェの親会社にあたるフォルクスワーゲン(以下、VW)によるディーゼル車の排ガス不正問題が垣間見える。自動車の要ともいえる”エンジン”の存在がまたひとつ薄らぐ感じだ。

・発端は2015年に発覚した不正問題
2015年、親会社のVWによる排ガス不正問題が発覚した。厳しい規制を逃れるため、不正なソフトウェアを使用し、データを隠蔽工作。リコールの対象となった車両は世界各国でおよそ1100万台にものぼり、大きな社会問題になったのは記憶に新しい。

もともと、ヨーロッパにおけるディーゼル車は人気が高かった。本国ドイツなどでは側道無制限区間を含むアウトバーンがあり、国をまたぐ長距離移動も珍しくない。VW社もディーゼル車を得意分野としており、高燃費車両を数多く世に送り出してきた。一方、排ガス問題としては、光化学スモッグやじめ大気汚染につながる粒子状物質が高く、環境問題を考慮すれば、ディーゼル車の立場は決して強いものではなかった。中でもアメリカにおけるディーゼル車の規制はヨーロッパや日本よりもかなり厳しいものであったことから、そのアメリカで販売台数を確保するために不正を行ったと見るのが妥当といえる。

不正の発覚はまずアメリカで明らかされた。これにより、もともとアメリカ市場での販売において苦戦が続いていたことに拍車がかかり、VW社は大きな痛手を追うことになった。さらに飛び火は世界各国へと広がった。もちろん、企業としての信頼薄から株価は急落。グループ全体における財務状況の悪化も避けられなかった。

・グループ全体における影響
VW社は不正が発覚したゴルフ車を主流とする大衆車向けの車両を数多く取り扱うが、グループ企業には「アウディ」「ポルシェ」といった高級車、高級スポーツカーメーカーも含まれる。中でも、アウディは耐久レースとして名高い「ル・マン24時間レース」にディーゼルエンジンを搭載した車両で10年間参戦した歴史を持つ。2006年にV10ディーゼルエンジンを搭載するアウディ・R15 TDIでの参戦をスタートさせ、2016年まで改良を重ねて戦い続けた。途中、ディーゼルエンジンとモーターとのハイブリッドシステムへと変化を遂げたものの、ディーゼルエンジンを搭載し続けた。

過酷なレースで優勝を重ね、その功績によってレギュレーションが厳しくなろうとも技術を試す場所として挑戦し続け、ディーゼルエンジンの存在意義をしっかりとアピールし続けてきた。もともとディーゼルエンジンは燃費の良さが売りではあったが、アウディはル・マン挑戦を通じ、ディーゼルパワーが力強いトルクを生み出すことを知らしめてきた。だがしかし、この挑戦も2016年をもって幕を下ろすことになった。VW社における不正発覚が大きな影響を与えたことは紛れもない事実であろう。

そのル・マンでアウディのあとを引き継いで活躍を見せたのが、ポルシェだった。同じグループ企業ながらディーゼルエンジンではなく、NAエンジンでのハイブリッドをしっかりアピールし、勝利することでうまくイメージチェンジを図った。だが、そのポルシェも2017年をもってル・マンを”引退”。ル・マンにかわり、電気自動車(EV)で競う「フォーミュラE」に2019年末から参戦することを表明。次世代モータースポーツ界へと活躍の場を移すことになった。

これを踏まえれば、ポルシェがディーゼル販売から撤退することに対して、さほど大きな驚きがあるわけではない。今や時代がそういう流れの中にあるからだ。とはいえ、自動車大国であるドイツの大手自動車メーカーとして、ディーゼル車からの撤退をアナウンスするのは初めてとなるだけに、この先、どのメーカーが追随するのかしないのか…。この点は気になるところだ。ちなみにポルシェとしては、2019年に初めてとなるEVスポーツカー「タイカン」を発売予定。この先、2025年までに同社における新車販売の半分をHV(ハイブリッド)にするという目標を掲げている。



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