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日産、”ゴーン・ショック”のその後

コラム (2019/09/19)

昨秋、日本の自動車業界に激震をもたらした日産の”ゴーン・ショック”。その第二弾となる秋風が9月上旬に吹いた。というのも、同社の西川廣人代表執行役社長兼CEOが9月16日付で辞任したからだ。今回の辞任を牽引したのは、同社の社外取締役の存在だった。社内外で高まりつつあった反発を受けた辞任劇とも言える。

・ゴーン・ショック直後の歩み
同社の前会長のカルロス・ゴーン氏が金融商品取引法違反容疑で逮捕されたのは、昨年11月。事件は、ゴーン氏が自身の役員報酬を有価証券報告書に過小記載の疑いがあるとして表面化。その後は特別背任事件へと発展する不正事件として連日新聞やTVで大きく報じられた。当時、西川社長兼CEOも株主総会で連帯責任を問われ、一部から退陣を求められたというが、その後も最高経営責任者のポジションから、会社の再生に携わった。

それからおよそ10ヶ月。この間、今年4月に行われた臨時株主総会でゴーン氏を取締役から解任することで、「完全追放」。ゴーン氏の”腹心”という立場であった西川氏だが、これを機に名実ともに日産の経営トップの立場となり、20年近くに及んだゴーン氏と”決別”した。その後、6月に開かれた定時の株主総会を経て、長年着手できずにいたガバナンス(企業統治)の不全を立て直すべく、改革に取り掛かった。業務の執行と監督を明確に分けるため、同社社外取締役に権限を置く「指名委員会等設置会社」に組織移行、さらに社外取締役を3人から7人へと増員するなど、改善に向けて大なたを振るった。不正行為等の主だった原因が、ゴーン氏への人事や報酬を含む権限が集中していたからである。

・厳しくなる風当たりを前に
出直しの舵を切った西川氏だったが、早くもマスコミが同氏の報酬不正疑惑に着目。ゴーン氏失脚の際に自らも退任を迫られた元同社代表取締役のグレッグ・ケリー氏による暴露記事として月刊誌で報道されることになった。これを受けて社内調査が始まり、ようやく9月上旬になってその結果が報告された。

結果、西川氏は株価に連動して報酬を受け取れる権利(株価連動型報酬・SAR)の行使にあたり、社内ルールに反していたことが明白に。行使日がおよそ1週間ずらされ、本来得られる額よりもおよそ4700万円多い役員報酬を受け取ったというものだった。この調査報告に対し、同氏は事実関係を容認。だが、意図的な不正ではないと強調し、該当する金額の返還を申し出た。しかし、不正が明らかになると、くすぶっていた退任の声が社内外から高まり、強力な逆風が吹くこととなった。なお、社内調査ではゴーン氏やケリー氏の不正はおよそ350億円にも及ぶことも報告された。ただ、両氏の場合、報酬を隠すための意図的工作があるとされ刑事事件へと発展したが、西川氏への違法性はないという受け止められている。しかしながら、明るみになったのは、あくまでも役員報酬にまつわる「不正」。その手口はゴーン氏らと同じであることから、道義的な責任は免れないという見方が強くなった。そこで別の立場から新たなる大なたを振るったのが、社外取締役の面々だった。

・読みが外れた退任の時期
これまで西川氏本人は、ガバナンス改革の道半ばにあるとして自身の退任を先送りしてきた。5月に行われた決算会見では、しかるべきタイミングでバトンタッチすると言及。いずれ後進に譲る意思はあるものの、早くてもその時期は来年の総会、長くて3年先になるのではないかと考えられてきた。

それだけに、9日に開催された取締役会で迫られた辞任の提案は、同氏にとって心穏やかなものではなかったようだ。日産への風当たりが厳しくなると即時辞任を迫る声が多数を占め、結論に至ったとされる。取締役会の要求を受け止めたものの、同氏には急転直下的辞任劇だったに他ならない。会社としては「解任」の扱いはしていないものの、本人としては、辞任と言う名の解任劇だと受け止めていることだろう。取締役会を経て同日夜に行われた会見で、「やめる意思はずっと持っていたが、一番早いほうの節目だった」と同氏はコメント。人事に関する不正問題は、表面上落ち着きを見せることになるだろうが、この先、悪化している業績の立て直しや提携関係に揺れるフランス・ルノー社との問題等、課題は依然残されている。西川氏の後任は10月末までに決める見通しというが、同社との関係性で優位に立ちたいルノー社の動向も気になるところだ。



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