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ハイブリッド車、中国での位置づけが「低燃費車」に

コラム (2020/06/29)

環境に対応した乗用車の普及に腐心する中国政府。これまで新エネルギー車(NEV)の導入に尽力するなどさまざまな手を打ってきたが、このほどハイブリッド車(HV)も優遇の対象にするという新たな規制を打ち出すことが発表された。結果、一時は除外されていたHVを多く生産する日本のメーカーにとっては追い風になりそうだが、中国はなぜ規制を修正することになったのか? そこには中国の”お国事情”もあるようだ。

・以前はHVはガソリン車と同じ扱いだった
ハイブリッド車(HV)の普及がすっかり浸透した近年の日本。メーカーによってはエンブレムがHVであることを示すような青色になっていたり、ボディに”HYBRID”と書かれていたり、一目瞭然という感じだと思う。また、HVはガソリン車と比較しても燃費に優れ、エンジン音も極めて小さく、あらゆる点においてガソリン車よりも”環境にやさしい”というイメージが大きいのではないだろうか。もっとも現時点ではHVよりも、ガソリン不要な電気自動車(EV)、あるいは外部電源での充電が可能であるプラグインハイブリッド(PHV)さらに燃料電池車という、よりいっそう環境にやさしい乗用車も製造されてはいる。しかし車両価格がまだまだ高いこともあり、正直なところ、日本国内でのシェアではまだまだガソリン車とHVがメインであることも事実である。

転じて中国に目をやると、目覚ましい経済成長を遂げた今、乗用車の所有も上昇を続けてきた。しかし、都心部を中心にした大気汚染の防止や石油の輸入量削減のため、また環境に対応できるものを導入しようと、中国政府は策を講じてきた。それがNEV(ニュー・エナジー・ビークル/新エネルギー車/新能源車とも言う)規制だ。現在のNEV規制に基づくと、優遇の対象となっているのは、EV、PHV、そして燃料電池車。つまりHVは対象からは外れており、ガソリン車と同じポジションに扱われている。これは、日本の自動車メーカーが注力するHVを除外することで、中国国内のEV製造メーカーを育てようというある種の”国策”ではないのか、という見方もある。さらに、中国政府はNEVを購入する際、購入税免除や都市でのナンバープレートの規制緩和(中国では渋滞や大気汚染を防ぐ狙いで発給制限を実施しており、NEVへの緩和を行った)、さらにはNEV製造販売メーカーへの補助金支給を展開するなど、国を上げて普及促進に努めてきた。その甲斐あって、EVやPHV購入者は増加傾向にあったが、もともとの販売価格がガソリン車よりも高いため、噂では中国国内の販売台数におけるNEVの販売比率は市場全体の1割にもまだ手が届いていないらしく、2019年の新車販売台数のおよそ6%くらいではないかと言われており、正直なところまだ本格的な普及とは言い難い状態だ。また、メーカーへの補助金も終了する見込みで、新興ビジネスとして起業した国内メーカーの中には厳しい状況に立たされるところも出てくるだろう。

一方、日本を含む海外の自動車メーカーは、2019年から中国国内で導入されたNEV規制により、ガソリン車などの製造販売台数を基にして義務付けられたNEVの製造販売に取り組んできた。打ち出された規制は、輸入する台数の10%をNEVにし、10%に満たない場合はペナルティを課すというものだった。さらに比率は年々引き上げられるように設定されていた。ペナルティについては、ガソリン車の製造販売に対してマイナスポイントを計上。その穴埋め対象としてNEVの製造販売を要求するものだった。「ガソリン車はもちろん、HVを売りたいのであれば、その分に見合うNEVを製造販売しなさい」という条件が与えられたと考えれば良い。その条件のハードルは高く、穴埋めのためにポイント分の”購入”を強いられている。

・NEV規制実現のために方向転換か
ところが市場拡大が続いた中国であっても、先述のように国内におけるNEVの普及は決して容易なものではなかった。しかし、国を上げて打ち出した政策を翻すわけにはいかない。そこで方針の見直しを行ったのが今回の”HV優遇案”。これまでガソリン車と同格だったHVを「低燃費車」と位置づけ、優遇する方針へと転換を図ったのだ。管理規則の修正には、はっきりと「HVを低燃費車として優遇する」と明記していないそうだが、HVは低燃費車であることに違いはないとも言えるだろう。

もちろん、NEV規制そのものの変更は行わない。今後、年を追って製造台数は増加させていくことも同様で、現在の目標として2025年にはNEVを25%にまで引き上げるとしている。つまり、今回の優遇によって変わるのは、ガソリン車を製造販売するよりも義務化されているNEVの生産台数が減算される点にある。1台のガソリン車に対して課せられるNEVの台数に比べ、HVはその2~5割に留めることができるとも言われる。新たな規制に基き、当面はEVの製造販売を急かずとも、得意分野ともいえる低燃費HVの製造販売が可能となるわけだ。結果、HV製造販売を得意とする日本勢、さらにドイツ勢にとって、今回の規制見直しは追い風になるという見方が大きくなる。とはいえ、自動運転の研究開発が加速する中、HVがいつまでも時代の先端に留まる訳はなく、いずれはEVやPHV、燃料電池車が主流となる時代がやってくることを忘れてはならない。



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