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コロナ禍で青息吐息の自動車メーカー、今後の行く先は?

コラム (2020/08/14)

先月末のある日。新聞の経済欄で目にした「パジェロ生産終了」の見出し。経営悪化が続く三菱自動車で長らく看板車として高い知名度を誇ったSUV(スポーツ用多目的車)のパジェロの生産が完全に終わることを伝える記事が掲載された。依然として収束が見えてこない新型コロナウイルス感染症の蔓延の影響がすべてではないだろうが、ブームが去った今日、日本を拠点とする工場の閉鎖が相次いでいる。自動車産業ではどの大手メーカーも”青色吐息”が聞こえてきそうな現状はどのような状況なのだろうか。

・生産が大幅ダウン、不振続く
世界中で様々な影響を及ぼした新型コロナウイルスの感染拡大。世界中でロックダウンや自粛生活が長引いたことで物流が停滞。その流れで経済も鈍化した。自動車産業では工場の稼働を停止せざるを得ず、生産台数の大幅減につながった。

三菱・パジェロを製造していたのは、岐阜県坂祝町。工場閉鎖の裏にあるのは、拡大路線に無理が生じ、コスト改造改革を強いられた結果でもある。1982年に発売されたパジェロはタウンユーザーまでもが手にするSUV車でもあった。また、世界一過酷と言われたパリ・ダカールラリーに長らく参戦し、2007年までの7連勝を含む12度の総合優勝で知名度が上がり、今年3月までに323万台が生産されてきた。同メーカーでは坂祝町の工場を完全閉鎖し、生産拠点を国内二ヶ所に絞るとしている。国内工場での稼働率を引き上げるのが狙いにある。このような考えは、同社のほか、トヨタやホンダでも採用されており、トヨタは静岡県裾野市の東富士工場を今年末までに閉鎖、ホンダは埼玉県狭山市にある工場を2021年をめどに閉鎖する。いずれも工場閉鎖後は国内にある他の工場へと生産を移す形を取。効率化を目的にした”ダイエット”として受け止められているものの、自動車生産の”近未来”を決して楽観視できるようなものではないことだけは確かだ。

・世界中で販売減少の流れに
7月末、日本の自動車大手8社(トヨタ、ホンダ、日産、スズキ、マツダ、ダイハツ、三菱、スバル)が発表した6月の世界生産。前年同月比で25.5%減となる合計166万台という数値は、コロナ禍で大きく減産した4、5月の2ヶ月よりも回復の兆しを示すものだった。徐々に回復傾向にあるとはいえ、世界での販売が半減した日産は2年連続で巨額赤字となり、その規模は6700億円に及ぶと報道された。日産といえば、前会長であるカルロス・ゴーン氏による拡大路線の修正中であり、その構造改革費用がかさんでいた。そこに来てコロナ禍で自動車販売が急減したことが予想外の痛手となり、まさに”弱り目にたたり目”のような状況になったと言ってもよいだろう。また、マツダも同じタイミングで2021年3月期の純損益が900億円になるという見通しを発表した。同社にとって9年ぶりとなった赤字。売上も同年比16.9%となり、営業損益では400億円の赤字を見込んだ。

一方、ダイハツを除く大手7社が発表した今年4~6月期決算では、7社揃って減収となり、売上高の合計は前年同期と比べて45.7%も減った。なお、最終的なもうけ(純損益)で黒字を出したのは、トヨタとスズキの2社のみ。だが、自動車事業に特化した数値では、赤字もしくはもうけゼロという結果ということで、両社は金融事業や船外機製造などのマリン事業などで黒字確保に成功しており、自動車製造においては、コロナ禍をまともに被った結果であったことは明らかのようだ。

2021年3月の通期予想まで視野を広げると、緩やかながら回復を続ける製造状況を鑑みて、トヨタとホンダは増収を予想したが、残る5社は減収を覚悟しているようだ。

・先が見通せない中、”自動車”はどこに向かうのか
奇しくも、時代を彩った名車の生産終了が報じられた同じ一面に、ソニーが人工知能(AI)や自動運転技術の開発に向けて試作した電気自動車の記事が掲載されていた。「VISION-S」(ビジョン-エス)と名付けられた車両は、国内では初公開だが、今年1月にはアメリカの技術見本市(ネバダ州ラスベガスで行なわれた「CES 2020」)でひと足先にお披露目されている。今年度中に海外の公道での走行実験を予定しているというが、開発の拠点は日本ではなく海外にあるという。

同社はイヌ型ロボット「aibo(アイボ)」を開発したことで知られるが、今回のVISION-Sもまたその開発チームが携わっており、加えて大手自動車部品メーカーなどの協力を得て制作を続けているという。もちろん自動車としての形状を持ち、場所から場所への移動を行うものであるという目的は、”クルマ”そのものではあるが、その”クルマ”のハコの中は、ダッシュボードとして大画面の液晶ディスプレーがずらりと並び、指先ひとつで操作できるタッチパネル式となっている。スピードメーターやナビゲーションだけでなく、音楽や映像などのをエンタテインメントに興じることも可能だ。なにしろ自動運転支援機能を搭載しているわけだから、ドライバー自らがステアリングを握り、運転することが全てではないのだ。

同社によると、のVISION-Sは市販を目指して開発を行っているものではなく、技術開発を主とした実験車両であるとのこと。とはいえ、近い将来実際に車両として動き、活用できる完成度が高まれば、れっきとした自動車としての利用価値が成立する。VISION-Sのような自動車が自動車としての次なる目的を果たすようになったとき、現在ある自動車メーカーは、いったいどのような自動車を生産しているのだろう。長い目で見た場合、これまで辿ってきた道を歩み続けても、コロナで被った打撃からの脱却は免れないのではないだろうか。



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