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中国、2035年にはガソリン車販売全廃へ

コラム (2020/11/26)

今年10月、菅義偉首相が就任後初めてとなる所信表明演説において、温暖化ガス排出について言及。政府として、2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにするという目標を示した。日本は省エネ大国であるものの脱炭素では世界に遅れを取っており、社会や経済のあり方を根本から見直す大改革になるやもしれない。そんな中、中国がガソリン車の販売を2035年をもって全廃することを明らかにした。自動車業界にとっては駆け足で対策を迫られることになりそうだ。

・中国、”NEV”の生産をさらに要求!?
日本の報道各社は、中国工業情報化省の発表として伝えたのは、2035年に新車販売のすべてを電気自動車をはじめとする新エネルギー車やハイブリッド車にするという方針内容だった。中国工業情報化部は、日本で言うところの経済産業省に相当する省に該当するが、この発表によって、2035年以降はガソリンエンジン車が市場販売できなくなると考えられる。なお、冒頭の”NEV”というのは、中国特有の呼称であり新型エネルギー車を指し、New Energy Vehicleの頭文字を取っている。定義される車両は、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)のことを言い、ハイブリッド車(HV)とは区別している。

これまで、中国に限らずアメリカはじめ、イギリス、フランスなど欧州においても温暖化ガスの排出量対策は様々な形で対応を強化しており、中でも自動車の新車販売は各国が具体的に制限を設けて動き始めている。このコラムでも9月下旬に記したが、アメリカ・カリフォルニア州が掲げているのは、「州内におけるガソリン車やディーゼル車の新車の販売を2035年までに禁止する方針」であり、今後、州内で販売する乗用車および小型トラックは「ゼロエミッション車」にするようにと命じる知事令に署名している。また、イギリスは2035年までにガソリン/ディーゼル車さらにはハイブリッド車の新車販売を禁止する方針を発表しており、フランスは5年先の2040年までの期限としている。こういう世界の流れを踏まえた場合、今回の中国政府の動きは特別新たなものではないのだが、よりストイックな政策であることには違いなく、環境対応車への優遇処置を強化することで、どの国よりも”一歩先”を進んでいるという立ち位置を世界に向けてアピールしたいのではないかと思われる。

・新車は環境対応車に限る
今回打ち出された対策に則った場合、中国本土において2035年には新車販売のすべてがガソリンエンジンだったものはすべてハイブリッド車に取って代わることになる。加えてEV、PHEV、FCVなどのNEVが50%以上占めることを目標に挙げている。つまり、2035年以上、日本はじめ世界の自動車メーカーは中国でのガソリンエンジン車の新車販売は禁止される。新たに対応に迫られたメーカーだが、これまでも中国での自動車販売においては、環境対応車の生産を義務付けられている。というのも、ガソリン車を生産、販売する条件として、その代替車であるNEVを生産してきているのだ。

とはいえ、中国における新車販売の割合を見る限り、2019年時点でのNEVの比率はまだ5%に留まっている。政府がNEV購入者に補助金を出して普及を促しているのにも関わらず、だ。しかし、今回は、「省エネルギー・新エネルギー車技術ロードマップ2.0」を発表。それによると、まず25年に20%前後、30年に40%前後、そして35年に50%超まで高めるという”ステップ・バイ・ステップ”の方式で目標実現を目指すことになる。また、NEVの95%はEVとするとも記されていることから、極力ガソリンを使わない自動車を普及する方向であることがよくわかる。その証拠に、ガソリン車からHVへと切り替えられる中でもその比率はどんどん高くなっている。25年にはガソリン車のうち50%前後になるであろうHVは、30年には75%前後、そして35年には100%まで高め、最終的にガソリンのみの車両は販売だけでなく、製造すら停止するとしている。

なぜそこまで厳しい数値を掲げて環境対応に取り組むのか。それは、中国における二酸化炭素排出量が世界一だから。この排出量を2060年までに実質ゼロにする、という目標を打ち立てた中国政府は、ガソリン車全廃という大鉈を振るうような大胆な政策に取り組まなければ目標を達成することが極めて難しいのだ。

・日系メーカーの対応は? そして日本は?
中国という巨大市場を見据え、もちろん日本の自動車メーカーも対応に向けてすでに動き始めている。もともとHVで市場を牽引してきたトヨタ、そしてホンダにとってもしばらくはHVが主要になることを考えれば、追い風になる可能性が高い。だが、時代は自動運転の技術開発を含め、次世代の自動車開発へのシフトがゆるやかに進んでいる。すでに110万台を超えるEVが中国で販売されている中国では、HVを選ばず一足飛びにEVへと移行してもおかしくはない。無論、中国政府にとっては、そのほうが得策となるだろう。なぜなら、エンジンを製造を必要としないEV製造には、中国本土の企業が数多く参入している。日本や欧州の自動車メーカーに取って代わる新たな商機が潜んでいるのだ。

HVに代わり、トヨタも1996年以来となるEVを国内販売する予定があると近頃発表した。その「レクサスUX300e」を135台の限定車にしたのは、あくまでも国内での反応を確認するためではなかったか。本格的販売は「検討中」という回答が、その背景にあるように感じた。一方、最近販売が始まった日産の新型ノートは、同社のe-POWERを搭載するHVのみを設定し、電動化を推進するスタイルを取ったことも、これからの”自動車の在り方”を意識していると思われる。

「温暖化ガス排出の削減、実質ゼロ」というミッションは、今や世界各国における重要な目標。アメリカは、トランプ大統領からバイデン氏に政権が交代すれば、今年11月に離脱したパリ協定への復帰する可能性も高いとしている。多方面から地球温暖化対策に取り組む中、自動車の未来もその一端を担うことに違いはない。



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