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ENEOS、再生可能エネルギー会社を買収。脱炭素へ加速

コラム (2021/10/26)

10月上旬、日本の石油元売り最大手として知られるENEOS(エネオス)ホールディングス(HD)が、ジャパン・リニューアブル・エナジー(以下、JRE)の買収を検討していることが新聞はじめ各報道にて伝えられた。このJREは、再生可能エネルギー(再エネ)発電大手の会社だが、ENEOS HDのような大手グループ企業がなぜ再エネ買収に躍起になったのか。その背景に見え隠れするのは「脱炭素」だ。

■エネルギー業界騒然の買収劇
ガソリンがないと、日々の生活に大きな支障が出ることは、前回のコラムでも記したとおり。産業界だけに留まらず、あらゆる”モノ”に原材料として原油を用いることが多い。一方、ガソリンに特化すると、日本国内における需要は年に数%ながら減少傾向にあるそう。これは、人口減少やガソリン100%のクルマからハイブリッド車(HV)へのシフト、あるいは都市部での自家用車保有に必要なコスト高騰による敬遠など、様々な理由を伴って低下の一途をたどっているようだ。そんな状況の中、ENEOS HDが発表したJREの買収。その費用はおよそ2千億円という。当然のことながら、同社の事業構造が石油依存であるため、今後加速するであろう”脱炭素化”の流れに乗り遅れないよう、そして新たな事業を通して裾野を広げていこうという同社の中長期計画が絡んでいることに違いはない。

一方、JREは2012年8月に設立されたまだ若い企業。太陽光はじめ陸上での風力、バイオマスなどの再エネ電源を所有。さらに、今後日本政府が導入を計画する洋上での風力においても事業化を目指して検討を続けており、現在は秋田、長崎、そして北海道でのプロジェクトに参画しているという。現在稼働中の再エネ発電所の総出力は、およそ70.8万kW。開発中の発電所を含めると、およそ88万kwになる。一方、ENEOS HDが所有する再エネ発電所では、およそ13万kWで、建設中を含めると国内外で51.4万kWになるが、ガスや電力のエネルギー業界の現状と比較すると、同社の所有はまだまだ不十分と考えられ、再エネ開発事業としてはかなり出遅れていることになる。その結果、2000億円と言われる大型買収を行ない、再エネ事業を強化することで、日本を代表する業界トップクラスの再エネ事業者を目指す一方、企業としての事業構造において抜本的な変革を実施しようとする姿勢も見て取れる。

■ライバルの負けじと展開を加速
その一方で、ライバルの元売り大手も抜かりない。再エネ事業展開をENEOS HD同様に加速させていると言われている。例えば、出光。柱となるのは太陽光。そこにバイオマスや風力、地熱……と多様な再エネ電源を確保している。また、国内に留まらず北米や東南アジアには建設中の案件もあるとのこと。現時点で再エネの発電容量は50.2万kW。この先10年ほどかけて、およそ8倍、400万kWへと伸ばす計画だという。さらにコスモでは、風力発電を中心に計画を進める。現時点で陸上風力だけで30.3万kWの発電容量を確保。まずこれを50万kWへと引き上げ、今後は洋上での風力を強化し、この先10年で、150万kW超への拡大を目指す。これを見る限り、ENEOS HDの買収劇は、業界トップクラスの再エネ事業者へ……というよりも、ライバルに足踏みを揃えるべく、舵を切ったという見方もある。

一方で原油価格はここのところ高騰による反発が続き、高値を更新し続けている。元売り大手としては、在庫単価がいくらになるかを計算する方法__在庫評価益を押し上げる結果になるため、直近の業績としては喜ばしい”追い風”の状態となっている。とはいえ、長い目で見る限り、ガソリンはもとより、エコ・ライフの充実化__中でも脱炭素の推進が待ったなしの今、今後は否が応でも石油製品、ひいては原油の国内需要は緩やかに減少へと向かうことになる。

そんな中でライバルに先んじたわけでもなく、どちらかといえば後追いとして受け止められるENEOS HDの大型買収に対し、いったいその狙いは何なのか、という疑念を抱く声もあるのだとか。どうやら、ENEOS HDとしては、政府が脱炭素の切り札として構想する洋上風力に着目し、JREの買収を決めたようだ。すでに国内での洋上風力の開発に着手しているJRE。そのバックには大株主であるアメリカ ゴールドマン・サックスがついており、ライバルに対して遅れを取るわけにはいかない、と焦燥感があったENEOS HDを売却先として選んだと見る専門家もいる。

再エネ事業への取り組みは、正直後発隊としてスタートを切ったという見方が否めないENEOS HD。だが、洋上風力をはじめ、脱炭素事業の拡張が進めば、もともとのガソリン販売から本格的な水素燃料の販売を手掛ける可能性も存分にある。EVへの完全シフトに危機感を感じ、トヨタが先陣を切って声高に推奨する水素エンジン車両への安定供給が現実のものになれば、日本の自動車事情はEV一辺倒でなく、水素エンジン車両との共存も可能になるというものだ。

様々な可能性に明るい希望を持ちつつ、石油元売り企業が再エネ事業を本格化させる中で、自動車の使用燃料へ良い変革をもたらす道筋が生まれることに期待したい。



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