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広がるEV、自動車税にも見直しを迫る!?

コラム (2022/11/26)

今秋、政府税制調査会(以下、政府税調)において自動車の税制を見直すある提案がなされた。「走行距離税」なるものの導入を検討する可能性があるという。既存の自動車税のあり方を見直し、新たにEVを対象とする自動車税を設けようというものだ。あれこれと課税対象の見直しが進み、国民の生活への負担が増えそうなこの話、どのような内容で検討を進めていくのだろうか。

・そもそも自動車税とは?
日本の自動車税はどのように定められているのか。ずばりこれは、エンジンの排気量によって決まっている。どれだけゴージャスなラグジュアリーカーであっても、外観はどうみても高価なスーパーカーであっても、搭載されているエンジン排気量がコンパクトサイズであれば、自動車税はその排気量に基づき定められる。例えば、BMWのi8(現在は生産終了)というプラグインハイブリッドのスーパースポーツカーがあるが、エンジンサイズは1.5リットル。発売期間中に初回新規登録を受けた場合、その自動車税はなんと3万4500円という破格の安さだった。ハイブリッドカーの場合、電動化で補う文、搭載エンジンがダウンサイジングされるため、パワートレインそのものはしっかりと確保されていても、エンジン排気量がコンパクトであれば、自動車税は格安で済まされているのが現状だ。

一方、エンジンを搭載していないEVはどうかというと、排気量がゼロになるため、既存の自動車税をかける場合、税額は一番下のランクがあてがわれているため、1リッター以下と同じ扱いになっている。現在の課税方式では、2万5000円という”おトク”な金額が適用されるというわけだ。しかもEVはじめ、燃料電池自動車(FCV)やプラグインハイブリッド(PHV)といったZEV(ゼロエミッション・ビークル)については、初回新規登録及び翌年度から5年度分を課税免除にするという促進税制も導入されている(平成21年度~令和7年度に登録されたもの)ため、そもそも最初の5年間は自動車税そのものが免税対象となっている。5年間は自動車税フリーの状態で、6年目以降も1リッター未満のエンジン搭載軽自動車と変わらない税額で済んでいることは、決して声高には言われていないが、オーナーにとっては、かなりの恩恵を受けていることには違いないと言っていいだろう。

・なぜ、課税案が見直しに!?
10月26日に開かれた政府税調において、「走行距離税」なるものが提案されると、テレビ、新聞などのメディアが「ガソリン税の代替」と大きく報道し、「また税金が……」と青息吐息になったユーザーもいたのではないだろうか。では、なぜいまこのタイミングをもって「走行距離税」の新設が浮上してきたのか。その背景にあるのが、カーボンニュートラルへの取り組みだ。ガソリン車からハイブリッド、そしてZEVへと自動車の”在り方”が過渡期を迎えるこの先、現在のようなエンジン排気量に合わせて定められている自動車税収入が目減りするのは必至であり、これまで確保してきた財源を維持するためにも新たな課税方法を見出すことが早急に求められているのが現状としてある。もともとエンジン搭載車においても、ダウンサイジングが進み、車体こそそれなりの大きさがあっても、ひと昔のような3リッター超えのエンジン車両が少なくなっている。加えて、もうひとつの税収であるガソリン税においても、近年の車両は燃費が極めて向上しており、その影響で燃料税収は年々減少し、15年間で2割以上減ったという報告もされている。燃料を必要としないZEVが増えると、ガソリン税収がさらに落ち込むのは明らかだ。

そこで、税制の在り方を検討する中で目をつけたのが走行距離に応じた課税方法だった。ガソリン車は燃料を必要とするため、走れば走るだけ税負担をしていることになる。しかし、ZEVにはこの負担がない。その一方で、ZEVの重量はガソリン車に対しておよそ2~3割重いとされ、道路に与える負荷も大きいとされる。つまり、受益と負担の観点から、ZEVにも負担を課すべきという考えに至り、道路への負荷を鑑みて、走行距離に合わせて税収を……という案にたどり着いたというわけだ。

そもそも、排気量のサイズによって税金を10段階に区分している現在の税制度に、ZEVの自動車税リッターカー扱い、つまり最低税額の税金を当てはめたところに問題があるのではないかと思うのだが、現在、日本における普及率が低いため、大きな問題になってはいなかったのもうなずける。無理やり当てはめていた基準を根本的に見直す時期が迫っていることを考えれば、安易に「走行距離税」などという考えを進めるのではなく、自動車税そのものの見直しを着手すべきだという考えもあってしかるべきではないだろうか。カーボンニュートラルの取り組みを推進するために、EVへの移行を推奨する立場である政府によって、EVへの課税を強化する、という相反する手段を推し進めれば、反発が大きくなるのは目に見えている。確かに、道路は使った分だけ傷む。そこで使った人(クルマ)にその分を税収として課税するという考えは理にかなってはいるだろう。走行距離税の新設に向けて、まだまだ検討の余地は多い。物流業界における負荷が大きくなればその代償は消費者に加担されるだろうし、自動車を必要とする地方と、持たなくてもたやすく生活ができる都市部との温度差も大きい。様々な視野に立って検討を進めていく必要性があることに違いはなさそうだ。



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